南陽寺川から大船白山権現の参道探し 八百津町 2022年12月9日(金) | |
右図は2019/12/21に歩いた時の地図。図中の「この道は何所へ」の道の行き先が気になっていた。 そんな折、吉田幸平氏の論文『白山信仰の研究(3)』 の「3.大船白山権現」の「第2項 大船白山権現由来記」に (前略) 此のあたりを今の人呼びて九社が谷と言う。前の洞に別当屋敷と申す所あり、又南陽辺の河上を垢離とり河という此の河下に燈明石と申す石あり、 (後略) とある。 (この論文は文体からして昭和初期のものと思っていたが、国会図書館デジタルコレクションで検索すると1976年とあり、意外と最近のものだった。) |
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「東濃の人」さんのブログには南陽寺林道の奥に小滝があり、写真には立派な滝つぼが写っている。これなら水垢離場としてピッタリに思える。 そこで思いを巡らし、南陽寺林道終点から延びる丸山幹線15番への巡視路は大船権現への参道の一部を利用していて、上図の「この道は何所へ」の分岐に続いていると考えた。 分岐点まで往復3時間では無理でも、片道1.5時間で行ける所まで行き、残りは後日権現林道から下って確認することにして出掛けた。 |
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《時間》 P 09:35 ↓ 南陽寺林道終点 10:10 ↓ 道の分岐点 11:05〜11:15 ↓ 南陽寺林道終点 11:55 ↓ P 12:35 《南陽寺林道》 林道入口付近の広い路肩に車を置き、林道に入った。 もし参道があったとしても現在の林道の高い位置ではなく川に沿っていただろう。さて右岸か左岸か。 そんな事を考えながら取水堰まで来た。ここは3度目になるが、ここからは未見の領域。 |
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堰からすぐに右岸から左岸に橋を渡る。その先に高さ1.5mくらいの「御大典記念林」の石碑がある。昭和天皇の即位の礼とすると昭和三年になるが、その頃にはこの林道はあったのだろうか。また少し開けた場所には必ず沢田の跡があり、川を見ると至る所に水垢離に適した場所がある。 そして林道終点に着いた。「東濃の人」さんのブログにあった滝はなく、きっと終点から上の沢田の辺りにあるのだろう。 |
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「御大典記念林」の石碑 | 廃坑 |
《「道の分岐点」を目指す》 終点から巡視路を登る。急斜面にジグザグに関電の木の階段が続き、15番に着いた。ここで14番への巡視路と尾根道が分岐する。 |
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崩れそうな木の階段 | 15番鉄塔 |
尾根を行くが薄い道跡はあるが消えた処も、と赤のPPヒモが付いている。色も付け方も以前の自分と同じ。そして水色のテープと赤のPPヒモが尾根道を通せん坊している。これで納得。赤のヒモは山主さんが付けたものだろう。 ここから先は青色のPPヒモがかた結びで続いていた。でも、それだけでは不安で灌木の枝をせっせと折った。戻りが気になり太陽の向きとコンパスで確認する。 |
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赤のPPヒモ | 尾根の通せん坊 |
平な尾根道を行くと「論出官行造林地」の看板があった。これで権現山登り口のカーブの所にある「論出官行造林」の看板とつながり、この間に「道の分岐」があることになる。 時間は1.5時間ギリギリになり、先を急いだ。そして中津川営林〇の看板のある道の分岐に出合った。 |
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「論出官行造林地」の看板と道 | 中津川営林〇の看板 |
《戻り》 帰り道は尾根の分岐付近に自信が持てず、14番鉄塔に下ろうとも思ったが、もう一度道跡を確認したいと往路を戻ることにした。 どうにか尾根の分岐を過ぎ、通せん坊の所に着いた時は心底ほっとした。 林道を下り取水堰跡まで来た。s-ngmさんが通行ができることを確認された用水跡を行きたいが遠回りになる、しかし、もう二度と来ることがない南陽寺林道。堰を渡った。 対岸の林道の擁壁を見るとコンクリートではなく、石とモルタルで出来ている。セメントが貴重な時代に建設されたのだろうか。 田んぼ跡を通って車に戻った。 |
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右と左で積み方が違う | 田んぼ跡から見る須賀 |
《大船白山権現の参道》 この日歩いたルートに道跡はあったが、 1.尾根の末端が急な事 2.道跡が不鮮明 3.山頂の下で官行造林界がトラバースしていて、遠回りになる 等を考慮すると、とても今日のルートが参道だったとは思えない。 では、南陽寺川からの参道は。 取水堰の辺りで南陽寺川を渡り、沢に沿って登り、尾根道で14番鉄塔を通過し、ため池の横を通るルートが最適のような気がする。 (2019/12/11と2019/12/21と2020/3/12を参照) そうすると前出の論文の「南陽辺の河上」と矛盾してしまうが荒川との分岐点から見れば、堰の位置は結構上になる、(程でもないか)。 《課題》 論出官行造林界の道は2019/12/11の冒頭地図の小原ため池から尾賀野川沿いを通り、下吉田・比久見に抜ける道の一部のように見える。 尾賀野川沿いの林道を行き、川辺町と八百津町の境界で峠道の痕跡を探そう。 |
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美濃一人>山名録2022>南陽寺林道 |
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症状は軽症だった |