三等三角点清水

三等三角点清水 717.6m 白川町 2022年1月27日(木) 5万図「金山

三角点清水には菅田大柿林道の国有林ゲートから行ったことがある(2008/1/4)。かなり前から、坂の東下金から登りたいと思っていたが、車を置く場所がないのであきらめていた。
所が最近ストリートビューを見ていると飛騨川漁協の横に「町営駐車場」の看板があり、「無料です」と書かれているのを見付けた。
この急斜面にどの様な巡視路があるのかと不安もあるが行ってみることにした。

三角点清水の地図

『点の記』には「坂ノ東村字下金ヨリ旧鉱山ニ登ルノ道ヲ行ク一里ニシテ鉱坑ニ達ス是ヨリ右折急傾ノ山路ヲ攀登ル (読めない)十丁ニシテ達ス」とある。どこをどう歩けば山中にあるであろう坑口まで4kmになるのか、また右折して1090mとなれば飛騨川に達してしまう。
という次第で、この点の記は信用できない。

《時間》

町営駐車場 09:40
  ↓
3番鉄塔 10:30
  ↓
三等三角点清水 11:20〜11:25
  ↓
2番鉄塔 12:10〜12:15
  ↓
町営駐車場 12:50
名倉発電所
町営駐車場から見る中電名倉発電所

《名倉川辺線送電線巡視路》


雪の残る町営駐車場から下金踏切を渡り下金の集落に入った。車を置ける場所も有るようだが、この狭い集落に車で入る勇気はないし、歩きでも咎められそうな気がする。西端の廃屋の階段を登り1番鉄塔に着いた。

2番への巡視路は雑木林の中にあり、送電線の下を登って行く。所が標示板は倒れ、中電の「伐木についてのお願い」の看板は落ち葉に埋もれていた。巡視路は不鮮明で辿れない個所もある。
(後で気付いたが、この雑木林は送電線の為に伐採した後に雑木が育ったのだろう。)

幾度か巡視路を外して、ようやく2番鉄塔の石垣を登った。

雑木林の中の階段 「伐木についてのお願い」の看板
雑木林の中の階段 「伐木についてのお願い」の看板

3番へ向かうが、植林の中の巡視路は全く分からない。沢に出合ったが続きの踏み跡はなく、沢を見上げると5mくらい上に黄色い看板がぶら下がっていた。この沢を四つん這いで登り巡視路に出合った。

崩れた道を行くと雪があり、おっかなびっくり、さっきの沢をまた横切った。植林の中で折り返し、この沢の源頭部を横切ると3m程のガケの下に不自然な盛土があり、下りてみたが穴はなかった。そしてすぐに3番鉄塔。

不自然な盛土 大槻山
不自然な盛土 左:水晶山、右:大槻山

名倉川辺線3番鉄塔からの展望
名倉川辺線3番鉄塔からの展望

《尾根を三角点清水へ》

鉄塔から尾根に上がる道がなくヤブを分けた。尾根は自然林で快適。共聴アンテナの残骸があり、そこを過ぎると岩尾根になるが、安心の獣道があり、うまく巻けるようになっている。
そしてようやく三等三角点清水に再会した。

共聴アンテナの残骸 三等三角点清水
共聴アンテナの残骸 三等三角点清水

《下山》

何だか足がつりそうで心細い。3番鉄塔下の雪の付いた沢を横切る時、足がもつれたら・・・
おにぎりを一つだけ食べて、即下山にかかった。
途中、一度尾根を外したが快調に2番鉄塔まで下り、残りのおにぎりを食べた。


《下金地内で》

漁協の前にパトカーと救急車が停まっているのを見ているおじさんがいた。距離をとり、話を聞く。共聴アンテナまではメンテナンスに通われたとか。そんな方が鉱山のことをご存じなかった。
また南の山を指差し、「飯盛山と言って、窪んだ所にシャクナゲの群落がある。」と言われた。これはネットで知っていたが場所は分からなかった。

下右の地図は下金の詳細図だが、現住の建物は少ない。
(西側の半分は歩いたが、東側には入っていない。)

飯盛山 下金の地図
飯盛山 下金の地図

《後記》

考えてみれば、送電線巡視路を点検の為に歩くことは無くなったのだろうか。ドローンでの点検が主になれば、巡視路は”ほったらかし”の状態になってしまうのか?

《附録》

この辺りの点の記を見ていて面白いものを見付けた。
二等三角点河岐の点の記に「村人軽薄動モスレハ不当ノ賃ヲ貪ル 区長ニ依頼シテ傭ウ日給五十銭」とあり、この村は蘇原村犬地で現・三川本郷になる。
後世にこんな記録が残るとは、村人Aは思ってもみなかっただろう。


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