奥権現

恵那市武並町藤から望む稜線
恵那市武並町藤から望む稜線


四等三角点藤 600.6m 奥権現 660mくらい 三等三角点深山 656.4m

      恵那市・瑞浪市 2019年1月13日(日) 地形図「恵那」 


《荻之島城址》

刈安権現山には武田勢に対する織田方の防御線の刈安城があったといわれている(異説あり)。また一説に、戦国時代に「荻之島城」なる城があり、「落城の折に城主の妻が峰づたいに奥権現(大湫町神田)に逃れ、尼となって戦死者の菩提を弔った。」という伝説もあるとか。

とすると、奥権現は今の三等三角点深山あたりか。前回は刈安権現山から四等三角点藤まで歩いたので、今回は四等三角点藤から三等三角点深山まで歩こうと思う。下山は神田に下り、山名を採取しよう。

   
大湫町奥権現の地図《時間》

P 09:50
  ↓
四等三角点藤 10:10
  ↓
P 10:25
  ↓
奥権現 11:05
  ↓
三等三角点深山 11:15
  ↓
林道終点 11:45
  ↓
白山権現神社 12:05
  ↓
どんど焼き (30分間くらい)
  ↓
道間違い(引き返す) 12:55
  ↓
P 13:30

《四等三角点藤》

県道394の路肩が広くなった場所に車を置き、その正面にある廃道に入った。カーブの所から基本はトラバースだが、なかなか思うようには進めない。三角点藤のかなり下で尾根に乗った。

戻りは、またまた往路を大きくはずして、駐車場所の北100mくらいで県道に出合った。県道の東側には棚田の跡があったので見られてよかったとしよう。

廃道の終点 四等三角点藤
廃道の終点(高架のカート道が見える) 四等三角点藤


《三等三角点深山へ》

県道の東側は地形図とネットの地図(Yahoo・Google)で市境の表記が違っている。でも何か標識があるかと思い、駐車場所からすぐ南の林道に入った。所があったのは「大湫財産区」の杭が1本だけ。

その杭の付近から沢を渡り斜面に取り付くと、黄色のプラ杭3・4本でP614mに着く。鞍部には林道が来ていて、神田から登って来ていると思った。

取りあえず稜線に沿って登る。次のコブのテッペンは地形図でもネットの地図でも市境になっているが何の標識もなかった。そして、鞍部に下るとさっきの林道に出合い、地形図の武並町藤側の林道につながった。

「大湫財産区」の杭 P614mのコブ付近
「大湫財産区」の杭 P614mのコブ付近

この鞍部からの登りは現在地点に戻らないと面倒なので、久しぶりに携行した紙テープを桧の樹皮に挟んで行く。一応植林界のようだが雑木が混じり下山はかなり難しそうだ。

山頂丘らしくなると大岩があり、登るとそこが最高点だった。大岩は2つあり、2段目の方がカッコいい。岩の周りを探すが奥方様が隠れたらしい石窟は見付からなかった。

奥権現山頂 2段目の岩
奥権現山頂 2段目の岩(後は切れている)


岩屋 大岩
土がなければ岩屋かも 桧でうまく映らない

尾根を下ると岩がゴロゴロ。そして、少し高くなった所に三等三角点深山があった。武並町藤側の林道から三角点ハントしていたら、あの大岩は見落としていただろう。

尾根の岩 三等三角点深山
尾根の岩 三等三角点深山


《下山》

山頂の岩の上で休憩後、下山した。紙テープを2枚くらい外すと次が出て来ない。早速間違ったようだ。林道に出合い、これを進むと、登りの林道出合から10mくらい先で終点になった。

辺りを見ると石の祠が少し離れて2宇ある。1つは何も祀られていないが、もう1つは文化二年秋葉大権現と刻まれていた。ここから掘れ道が続き、里が見える頃、天明三年の?権現の祠があり、白山権現神社の裏に出た。

林道終点付近の祠 林道終点付近の祠
林道終点付近の祠 林道終点付近の祠


掘れ道 白山権現神社の裏
掘れ道 白山権現神社の裏


《神田地内にて》

白山権現神社・稲荷神社・観音堂にご挨拶をして車道に出ると、あぜ道でどんど焼きをやっている。これは好都合、一々聞いて回らなくても済みそうだ。

白山権現神社
白山権現神社 観音堂と石仏群

あれっ!向こうから手招きをしてくれている。仲間に入れてもらうと、「まあ一杯」、これは辞退し、お餅とさんまを頂いた。次に肉を勧められたが辞退した。後から猪肉と教えられ、食べればよかった、残念。

閑話休題。山名は奥権現と言われ、お姫様が逃げて来たと。奥方ではなくお姫様?
まあ、似たようなものか。
神田の戸数は40戸余りで、20戸は尾根の向こうに分散しているとのこと。

お礼を言って、辞し、県道と思われる道を行く。えん堤の所で行き止まりになり、ガードレールの方に行くと、ゴルフ場で行き止まり。
その時、道間違いを確信した。そして、かなり手前の分岐でオートバイが落ち葉のある道に入って行ったのを思い出した。

山歩きよりも長く舗装道路を歩き、ようやく車に戻れた。

どんど焼き遠景 P614m
どんど焼き遠景 P614m


《後記》

車で走ると考える暇なく直進するが、歩行だと考える時間があるので深読みし過ぎて、間違ってしまったようだ。それにしても、山で迷わずに里道で迷うとは情けない。

これで荻之島城主のお姫様(又は奥方様)が逃げのびた行程を歩き終えた。


美濃一人山名録2019>奥権現