高社山

高社神社の参道探し 多治見市 2018年2月22日(木) 所要時間2時間50分


高社神社は根本村・大原村・小木村の産土神として各地に遥拝所があるほど信仰を集めていたという。

大原村の参道は普賢寺から表参道(鳥居の道)と裏参道(大原秋葉さま経由)がある。根本村からは諏訪神社前の犬山街道(注1)を通り、根本秋葉さま経由の尾根道が想定できる。

所が、小木村からの参道が確定できない。北小木(注2)から神明洞川(注3)に沿って登り、谷道に入るのか尾根道を登るのか。・・・・・、結局分からなかった。


注1:『根本をたずねて』(平成7年発行)には内津妙見から大原・根本・大藪・塩・室原・長洞・今井・羽黒・犬山に至る街道とある。
注2:池田八郷にも同名の村があり、区別の為に北小木となった。
注3:北小木の南に「神明洞」という字名がある。とすれば東にある谷川に神明洞川という名称は間違いとなる。しかし、『多治見市全図』には明記されている。それで市役所に問い合わせると「神明洞川です。」と回答があった。ちなみに、集落内の岐阜県の看板には「北屋敷川」との表記もある。


地図


《諏訪神社〜大杉さま〜根本秋葉さま跡》 

諏訪神社に車を置き、犬山街道を行く。農免農道交点手前には最近ソラーパネルが設置された。農免農道を横切り、えん堤工事の際の作業道を進むと、その奥には大杉神社の祠がある。

2012年6月に来た時は注連縄が朽ち果てていたが、今日は新しい。まだお祀りしてもらっているようで安心した。

諏訪神社 大杉さま
諏訪神社 大杉さま(大杉さまの杉はこの杉ではない。)

作業道を戻って、尾根の先端から取り付くが結構きつく、大原表参道と同じ程度。さてこの道から根本秋葉さまへの道が以前からはっきりしない。これが不思議。
この少し上に薄いが踏み跡があり、これが小木からの参道だと思っている。

トラバスース道 根本秋葉さま跡
尾根道からトラバスース道になり、この道から根本秋葉さまへの分岐がはっきりしない。 根本秋葉さま跡


《小木村の参道》

鞍部から神明洞左俣を下る。最初に訪れたのは20数年前になるが、そのころには谷沿いに道の痕跡があった。しかし鞍部の手前100mくらいの間に道の跡は確認していない。それで今日も探したがなかった。

現在、この谷に道の痕跡は皆無。ゴルフ場のせいだけでこうなったとは思えない。何かの要因があるのだろう。

次に神明洞左俣と中俣の間の尾根を登る。取り付きはかなり急な道。平坦になっても、最近はますますシダが茂り、道跡が不鮮明になって来た。登りきるとT字路になる。
右へ行くと展望地からコシダの草むらを少しのぼって台地を通過し、根本秋葉さま裏の踏み跡に出る。左へ行くと、少し下って鞍部付近で道と合流する。

今回は左に入ったが灌木が茂っている。少々切ったが道には見えない。
鞍部側から入ると道が分からず、左手の斜面を登る人がいて道になっている。

明神洞左俣 尾根道
神明洞左俣 尾根道(320m辺り)


《ゴルフ場外縁から根本城址〜諏訪神社》

根本秋葉さま下のトラバース道は鞍部を通過するとゴルフ場の外縁になる。神明洞右岸からこの道に沿ってコンクリート杭が「入るな」と主張し続けている。外縁の道から2回右折して下り根本城址への尾根道に入る。

境界杭 堀切
ゴルフ場の境界杭 堀切

城跡からは、これの為に作られた遊歩道を下る。何時からだろう、工場の敷地を通る道がとうせんぼ。山裾を巻きながら出た先は「御殿屋敷跡」のすぐそば。久しぶりの案内板に目を通し、諏訪神社に戻った。

根本城址入口 案内板
根本城址入口 案内板の1部


《まとめ》

「高社山散歩道」を整備する時、神明洞右俣は木が茂っていたとはいえ道の形は残っていた。それに比べて左俣の荒れようは酷い。行程の安易さならば谷道になるが、道普請を考えると採用しづらい。かと言って尾根道は取り付きが急斜面で石段を作るのも大変そうだ。

五十歩百歩・一長一短・どんぐりの背比べ・帯に短したすきに長し、結局小木村からの参道は分からない。


《もう一言》

ノンキ君のページに「高社山山中には7つの神社があった。」と書いてあった。
(出典を探したが分からなかった。)

高社神社・大原秋葉さま・愛宕神社・根本秋葉さま・大杉神社、これに加えて普賢寺の裏山の金毘羅神社も高社山の山中になる。残り一社は。
もしかすると、展望地(上の地図参照)に小木村の祠があったのかも知れない。西南西向きになるとはいえギリギリセーフだ。
(大原町奥の大沢川左岸に八幡社跡の碑があるがこれは「山中」とは言えない。)



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