橋ヶ谷山と天狗森山(右) | |
橋ヶ谷山 1420.9m 天狗森山 1338m 中津川市 2012年2月26日 地形図「中津川」 |
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【登り】 P8:35−舗装道路出合9:00−取付き9:25−尾根9:40 −国有林界出合10:10−橋ヶ谷山10:45−天狗森山11:40 【下り】 天狗森山12:05−尾根下降点12:25−林道出合13:05−P13:45 《橋ヶ谷山について》 地形図の1420.3mの三角点の山には山名がない。『飛騨の山山・国境編』(著者は故・酒井昭一氏)には「村人は沢名をとって越沢とも橋ヶ谷とも呼ぶ。ここではひとまず『橋ヶ谷山』と仮称する」と記載されている。 1990年『飛騨の山山・ヤブ山編』が上梓され、翌年に『国境編』が刊行されるはずだったが一年余の時が過ぎた。1992年に刊行された『国境編』には、氏は前年に他界され本書が絶筆であると書かれていた。 1993年に狸沢から登った折、お目に掛かったことはないが、氏を思い、山頂に「酒井先生命名・橋ヶ谷山」と書いた小さなプレートを付けさせてもらった。 《越沢ルートについて》 天狗森山・橋ヶ谷山へは狸沢からが一般的だが、西側の清水から登ろうと地図を見ていると、林道の終点近くに良い尾根がある。これ以外にはなさそうなので植生を調べる為「Google Earth」を開くと「越沢ルート登り口」「越沢ルート」という画像が登録されている。 そこで、「天狗森山・橋ヶ谷山・越沢」で検索すると「安岐郷誌」内で「越沢ルート」の記事が見付かった。投稿者は「takami torao」とあり、同じ方のようだ。 とにかく、このルートで登った方があるので心強く思い、行ってみることにした。 《布袋野林道》 国道363号から清水の集落に入り、越沢を渡ると越沢浄水場がある。カローラではここまで、川沿いの空き地に車を置いた。 今日は曇り空だが谷川の底はマサドで白く綺麗に光っている。本谷にはえん堤が連続し、支谷にもえん堤が築かれている。路面は流水でえぐられ、所々に落石もある。と25分後突然、舗装道路と出合った。 「エッ!何所から来てるの。僕の25分をどうしてくれる。」 |
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舗装道路出合 | 布袋野林道の続きは左折 |
すぐにグーグルアースで見た「三又株」があり、洗い越しを渡る。急な登りになり、振り返ると雲海の中に東濃牧場が浮かんでいた。 |
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この辺りは氷ヶ平 | |
三又株 | 東濃牧場 |
林道はT字路になり、とりあえず左折し尾根の先端まで行ってみたが切通しで取付けそうな場所がない。尾根を回り込むと、こちらは更に急勾配で植林もされていない。仕方なくT字路から右へ行くと2〜30m先で植林が路面と同じ高さになり、何時のピンクのテープがついていて、ここから取付くことにした。 注: 林道の名称は現地で標示はなかったが、『飛騨の山山・国境編』には布袋野(ほての、この辺りの字名)林道と書かれている。 《尾根道》 急斜面を巾20cmほどの歩道の断片を探して登るが、とうとうそれすらもなくなった。笹につかまり、潅木に足を掛け、どうにか尾根に乗った。勿論、尾根には立派な踏み跡が続いている。左の斜面は所々で抜けていて、氷結した雪に足を取られないように慎重に進む。 そして、裸の急斜面が待っていた。今日は冬用具は何も持ってこなかったので気弱になった。帰ろうか・・・。とにかく登る。滑る、滑る、枯葉の下が凍っている。どうにか登りきったが、小指の爪を割ってしまった。 何時しか傾斜も緩くなり特長のない斜面になった。低い笹を分けて行くとヒョコット切開きに出た。そこには国有林界の標石(界210)があり橋ヶ谷山・天狗森山の尾根に乗ったと確認できた。 |
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尾根出合の国有林界標識(赤い紙テープは下山時に回収) | |
《橋ヶ谷山へ》 とりあえず橋ヶ谷山を目指す。所々で凍っていて、ヤブや植林の中を迂回する。笹が出てくると、ポンと雪田に飛び出た。スゴイ〜、焼山がでっかい。尾根続きのロクロ天井は今にもガスで隠れそう。 ここから踏み跡が見えない。笹は昨日の雨と雪で凍りつき、掻き分けても離れない。ストックで叩いて笹を分けるがなかなか頑固だ。ようやく地面が見える、登り切ると山頂に着いた。 |
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山頂直下の笹ヤブ | 山頂風景 |
雪田から望む焼山(左の峰) | 山頂から望むロクロ天井 |
《天狗森山へ》 狸沢からの道との出合からは当然登りになる。途中から足跡があり、人の足跡に見えるがちょっと古そう。でも登りでは足がかりになりありがたい。すると低い位置の倒木をくぐっている。イノシシの足跡だった。 そして、反射板の立つ山頂。下界ははっきり見えないし、ロクロ天井は天井部分しか見えない。その内に日が射してきて綺麗に橋ヶ谷山が望まれた。 |
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橋ヶ谷山 | 天狗森山山頂(どのHPを見ても同じアングル) |
《下山》 下降点まで戻り、ここから160mH下った地点で尾根を離れようと計算した。所が60mH下った頃、2mくらい左下に1m巾の作業道があり、この道を行く。これであの植林の急斜面を下らなくてすんだと思っていると、ガケ崩れで行止まり。 ガケ崩れの淵に沿って下ると林道が見えるが法面が10m以上にあるように見え、落ちたら大変と恐る恐る登り返した。 160mH下った所で尾根を離れた。そして林道に下りた場所は何と取付き地点のテープの所だった。 後は気楽な林道歩き。 《その他》 このルートのポイントは如何にうまく尾根に乗るかに尽きる。尾根への取付きは林道の終点近くのカーブのテッペンが良いかも?? 舗装道路は「ふるさと林道三森山線」だというが、始点・終点とも現在未開通との事。(安岐郷誌より) また、三又株の名称、氷ヶ平(ひょうがだいら)の地名、布袋野の読みもWebSite『安岐郷誌』による。 |
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美濃一人>山名録2012>橋ヶ谷山・天狗森山 |